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「チーズはどこへ消えた?」のあらすじと感想 「小人=自分」は半分正解、半分間違い。悪徳ビジネスに御用心。

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「遅れをとっても、何もしないよりいい。」

 

 

僕が「チーズはどこへ消えた?」の中で一番好きな言葉。

 

間違いない。何もしないより100倍良いだろう。

 

だからこそ僕は既に多くの方が読み、様々な感想・書評が書かれているこの本の感想を、わざわざ記事にしている。

 

 

本の感想を結論から言うと、とても分かりやすくてためになる本だし、コロナウィルスによって日常生活に大きく変化が訪れている今だからこそ読むべき一冊だと思う。

 

 

でも、ストーリーにのめり込み過ぎて現実を見失わないでほしい。

 

 

タイトルにもある通り、登場人物に自分を重ね合わせることはある意味では正しいし、ある意味ではとても危険だからだ。

 

 

 

「チーズはどこへ消えた?」のあらすじ

 

ある国にネズミのスニッフとスカリー、小人のヘムとホーが住んでいた。

 

彼らはいつも迷路でチーズを探し回っていた。

 

ある日彼らは迷路の中で大きなチーズを発見し、大喜びした。

 

毎日チーズの元へ向かい、幸せな日々を過ごした。

 

しかしある日、チーズはなくなっていた。

 

ネズミのスニッフとスカリーはすぐに他のチーズを探しにまた迷路の中を進んでいった。

 

 

小人のヘムとホーは「チーズはどこへ消えた?」と嘆き、狼狽え、来る日も来る日も消えてしまったチーズがいつか戻ってくることを信じてその場を離れなかった。

 

 

ホーはこのままではいけないと思い、おいしいチーズを見つけてそれを食べる自分を想像し、「スニッフとスカリーにできるのなら自分にもできるはずだ!」と決意しヘムと別れ一人で新たなチーズを探しに出かけた。

 

 

困難な道のりだったが、ホーはチーズを探し続けた。

 

 

チーズがあることが幸せだと思っていたが、チーズを探す行為こそが幸せだということに気づいたからだ。

 

ついにホーは新たなチーズを発見し、そこではスニッフとスカリーが喜んで迎えてくれた。

 

チーズを探す旅に出たくなる

チーズ=お金・家族・仕事・etc…

迷路=会社・家庭・地域社会・etc…

 

という例えが実にわかりやすくよくできている。

 

多くの人が小人たちと同じような体験をしたことがあるんじゃないだろうか?

 

 

安泰だと思っていた日々が急に終わりを告げ、新しいことにチャレンジできず、嘆いて不満ばかりを口にしていた体験が…。

 

 

僕自身、最初は小人たちをバカにして読んでいたのだけれど、途中で自分が小人たちと同じことをしていることに気付いてしまった。

 

 

「自分は頑張ってきたはずなのにこんな目に合うのはおかしい」と悲観してその場を動けずにいる。

 

 

そしてその場所を動かずに同じ場所で頑張った結果、成果が出ないことに気づき、「そのうち事態がよくなるだろう」とただただ傍観してしまうのだ。

 

 

でもそれは少し前の僕の話で、今の僕はチーズを探す旅(=ブログ)をしている。

 

 

正直、本当においしいチーズが見つかるのか不安だし、もしかしたら見つからないのかもという恐怖もある。

 

 

だけど、スニッフとスカリー(他の誰か)にできたのなら僕にもできると思うし、チーズを探すこと自体が幸せっていうのは本当だ。

 

 

今はブログを書くのが楽しい。

 

 

おいしくなくてもチーズは確保したい

この本の中では、小人のヘムが一番愚かな人の例えとして書かれている。

 

 

チーズがなくなったことを嘆くばかりで、変化を恐れ、「新しいチーズは好きじゃないような気がする。慣れていないから。」と、過去の栄華にいつまでもすがっている。

 

 

この本を読めば誰もが「自分はヘムのようにはなりたくない」と思うように書かれている。

 

 

実際ヘムは愚かだ。

 

 

その場所でいくら待ってもチーズが現れることはないのに、その場所を動こうとしない。

 

 

でもここで、「ヘムのようになるのはイヤだ!よし!独立しよう!」と考えるのはちょっと待ってほしい。

 

 

例えばあなたが今チーズ(=仕事)がない状態なら今すぐチーズを探すのは良いことだと思う。

 

 

しかし、今あなたがあまり好きではない仕事(=あまりおいしくないチーズ)が手元にある状態なら、いきなりその「あまりおいしくないチーズ」を捨ててしまうのは果たして賢い選択だろうか?

 

 

今まであった「あまりおいしくないチーズ」が翌日からなくなってしまうことに耐えられるだろうか?

 

 

僕なら、「あまりおいしくないチーズ」を確保しつつ、「よりおいしいチーズ」を探す旅に出たい。

 

 

つまり本業を続けつつ、副業にチャレンジするということだ。

 

 

それが生ぬるい考えだと指摘する人もいるかもしれない。

 

 

「そんな悠長なことではいつまで経ってもチーズは見つけられない」という人もいるかもしれない。

 

 

でも、チーズは人によって形を変える。

 

 

ここではチーズ=仕事という一つの例えとして書いたけど、どんなチーズを探すかは人それぞれだ。

 

 

それにさっきも書いたけど、チーズを探す旅こそが楽しい。

 

悪徳ビジネスに御用心

この本は現状に満足していない人や変化を恐れている人の背中を押してくれる素晴らしい本だと思う。

 

 

だけど、それだけに悪徳ビジネスにも利用されやすいようだ。

 

 

普段ならヘムのように変化を恐れて慎重に立ち回る人でも、この本を読んだ多くの人と同じように「ヘムのようになりたくない!」と思ってしまうからだ。

 

 

だからこそヘムと自分を完全に重ね合わせるのはあまり良くない。

 

 

自分にとってのチーズは何なのか考え、自分が求めるチーズをイメージしてからチーズ探しの旅に出るのが賢い選択ではないだろうか。

 

 

それでも

「今さら旅に出かけてもチーズが見つかるわけない」

と考える人はこの言葉を思い出してほしい。

 

 

「遅れをとっても、何もしないよりいい。」

 

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