「読みたいことを、書けばいい。」
書店でこのタイトルを発見した時、僕は救われた気がした。
「嗚呼、そうだよね。それでいいんだよね…。」
と。
ブログを初めて4ヶ月になる僕は行き詰っていた。
多くの初心者ブロガーも同様に行き詰る時期なのかもしれないが、僕も例に漏れず行き詰っていた。
尿漏れパッドは必要無かったが、ラバーカップが必要だった。
詰まりに詰まったブログソをギュッポンギュッポンしてあげる必要があった。
雑記ブログと言えば聞こえはいいが、実際はたいした専門性もなく、何を書けばいいかわからない素人が雑記ブログを謳っているだけ。
成功しているブロガーの多くは
「書きたいことを書くな」
「読者目線で書け」
と言う。
もちろん最短で利益を出すなら、本気でブロガーとして生きていきたいのなら、それは大正解だろう。
実際に成功している人たちが言うのだから間違いない。
彼らの主張を否定する気は一切ない。
でも、だけど、But、
「書きたくないことは書きたくない。」
書きたくもないことをどうして書かなきゃいけないんだ?
じゃあなぜブログをやってるんだ?
ブログをやる意味ってなんだ?
どうしてホクロから毛が生えるんだ?
どうして最近すぐに口内炎ができるんだ?
と頭の中はブログのこと(とどうでもいいこと)でいっぱい。
書きたいことを書きたい。
でもそんなものは誰も求めてないのか……?
そんな時に出会ったのがこの本。
「読みたいことを、書けばいい。」
僕が一番投げかけてほしい言葉だった。
どんな崇高な説法より心に響いた。
ブッダのどんな言葉より今の僕には必要なダイバダッタ。いや、言葉だった。
さて、ここからやっと本の内容について触れていきたいのだけれど、小難しいことは書かれていない。
この本のタイトルが全てだ。
「読みたいことを、書けばいい。」
要約するとこの一言に尽きる。
本のタイトルってのは本当によくできてる。
この本にこれ以外のタイトルが見当たらない。
自分が読んでおもしろくないものを他の人が読んでおもしろいわけがない。
という記述があるんだけど、この一文が僕の胸に突き刺さった。
もう痛いくらい突き刺さった。
どうせならスタンドの矢が突き刺さってスタンドが発現したらよかったんだけど、あいにくこの本に吉良吉廣は宿っていなかった。
エンヤ婆もどこにもいない。
僕は一人で暗闇の荒野に道を切り開いていかないといけない。
そうなんだよね。
他人の目を気にして中途半端なことを書いた記事って本当におもしろくない。
自分がそんな気持ちで世に出したものが他人に評価されるわけがない。
自分が書き上げた記事の一番最初の読者=”自分自身”を喜ばせるために全力を尽くす。
その大事さをこの本は教えてくれた。
そこで、自分が喜ぶのであれば何を書いても良いのかというとそれは少し違う。
やっぱりせっかくブログとして世に発信している以上は多くの人に共感してもらいたいし笑ってもらいたい。
本当に自分自身のためだけに書くのなら日記で十分だ。
ならどんなことを書けばいいか?
という疑問にもこの本は答えを出してくれている。
「感動が中心になければ書く意味がない」
なるほど。確かにその通りだ。
映画や音楽など、自分が感動した事象についてならいくらでもペンが進む。
もし感動できなくても、自分が愛せるポイントを見つけ出し、その部分をとことん掘り下げて書けば良いのだそうだ。
なるほどなるほど。
例えば自分が観た映画がイマイチだったとする。
そこでウソをついてまで「あの映画は最高だった!」と書く必要はなく、「あの映画はストーリーはイマイチだったけど出演者の○○さんの演技が最高だった!」と書けばいいってわけだ。
そうだよね、絶対その方が良いよね。
せっかくだからこの場を借りて言わせてもらう。
今年のカ〇ジの映画は酷かったけど〇原竜也の演技が最高だった!
この本では他にも
✅誰かが書いているなら読み手でいよう
✅つまらない人間はどんな人か
✅一次資料に当たることの重要さ
✅巨人の肩に乗る
✅貨幣と言語は同じ
など目から鱗のありがたいお話が盛りだくさんだ。
全て気になる人はぜひとも実際に本書を手にして読んでみてほしい。
そして暗い部屋で一人で物書きに耽る自分自身を慰め、鼓舞するのだ。
最後に
自分が嫌いな料理を作る人がいるだろうか。
カラオケで歌いたくない曲を選曲する人がいるだろうか。
皆、食べたい料理を作るし、歌いたい曲を入れる。
その料理や歌を友達や家族が喜んでくれたら最高じゃないか?
そう、ブログも同じ。
自分のために書いたものでどこかの誰かが喜んでくれたらこんなに嬉しいことはない。
こんなことを書いている著者:田中泰延さんが一体どんな記事を書いているのかと疑問に思った方はぜひこちらのリンクから一度実際に読んでみてほしい。
https://natalie.mu/music/pp/maximumthehormone02
「マキシマムザ亮君が惚れこんだサラリーマンの独白」というタイトルで、それはもう感動を中心にすごい熱量で記事を書いている。
この人は自分のために自分が読みたいことを書いた結果、多くの人に感動と共感を与えている。
僕もいつかこの本の著者:田中泰延さんのように、マキシマムザ亮君と飲み友達になりたい。
と、10年来のハラペコ(ホルモンファン)の一人として著者に嫉妬を覚えつつも、その思いをエネルギーに変えて少しでも自分を喜ばせる文章を書いていきたい。
いつかこの文章を読み返した自分にこの言葉を捧げる。
「ダメ〇ンポ握ってないで、ペンを握れっっ!!」