デイサービスで働く皆さま、いつもおつかれさまです。
日々の介護業務で腰痛などで悩まされている方は多いかと思いますが、同時にレクリエーションのネタが尽きて困っている方もおられるかと思います。
デイサービスのレクリエーションといえばカラオケや簡易なボウリングなどのイメージがありますが、コロナ禍以降、対面のレクリエーションをするのは難しくなっています。
そこで最近多くの介護施設で使われているのがホワイトボードレクです。
学校の授業を思い浮かべるのが一番イメージしやすいですね。
ネット上には様々なホワイトボードレクリエーションのネタが転がっていますが、施設や利用者さんによってはできるレクリエーションが限られていたり、同じネタばかりでマンネリ化したりしているのではないでしょうか。
ということで現役介護士が実際に現場で行っているホワイトボードレクをお教えします!
- 名前の多さランキング
- 名字の多さランキング
- 住んでいる地域の市町村クイズ
- 漢字の部首クイズ
- 口に二角足しましょう
- 言葉の階段
- ことわざクイズ
- いろはカルタ
- 連想ゲーム
- 料理の話
- 〇から始まる〇〇
- 野球のクイズ
- 寿限無
- 番外編〜あまりウケなかったレク〜
- 番外編〜趣味や特技を活かして盛り上がるレク〜
- まとめ レクをする上での注意点
名前の多さランキング
新生児に多い名前ランキングです。
ネットで調べれば昭和・平成・令和それぞれ男女別に発表されているので、ベスト10くらいをヒントを出しながらクイズ形式にすると盛り上がります。
昭和のランキングであれば利用者さんの中にランキング上位の人がいるかもしれませんし、平成ランキングにはお子さんやお孫さん、令和ランキングにはお孫さんやひ孫さんの名前がランクインする可能性があるので、どの世代のランキングもハズレなしです。
名字の多さランキング
名前の次は名字です。こちらも盛り上がります。
全国で一番多い名字は佐藤さん、2位は鈴木さんというのは有名ですが、その後に続くランキングは意外と知らないのではないでしょうか。
こちらもベスト10くらいをクイズにするといいでしょう。
また、全国版だけでなくお住まいの都道府県別ランキングも盛り上がります。
全国版とランキングが全く違ったりして面白いです。
さらにもっと絞って施設がある市町村の名字ランキングも楽しいです。
利用者さんの中で多い名字がランクインしていたり、土地柄が出たりして、「確かにこのあたりは〇〇さんが多いなぁ」と納得のいくランキングになっていると思います。
住んでいる地域の市町村クイズ
お住まいの都道府県の市町村を次々に挙げてってもらいます。
できれば都道府県のイラストを大きくホワイトボードに書いて、挙げてもらった市町村をどんどん埋めていけるといいですね。
市町村は案外自身が住んでいる所以外は同じ都道府県でも知らなかったりしますし、「え?そんなところにあるの?」と位置関係にびっくりしたりします。
とはいえ同じ都道府県内であれば利用者の方も一度は聞いたことがある市町村ばかりだと思うので、ヒントを与えつつゆっくり答えていってもらいましょう。
漢字の部首クイズ
漢字が好きなお年寄りは多いです。
「木へんの漢字は何がありますか?」
と質問し、答えてくださった漢字をホワイトボード一面に書いていきます。
この際、できるだけ思いつきやすい部首にすると良いでしょう。
魚へんだと魚の名前ですし、木へんだと木の名前や木でできた物など、関連付けがしやすいです。
他にも雨かんむり、さんずい、にくづき(月へん)なども比較的考えやすいと思います。
(ちなみに僕は梅雨の時期に気候の話をしてから雨かんむりのクイズをするなど、導入を自然にできるよう心がけています。)
あとどんなクイズにも言えることですが、行き詰まった時のためにヒントを出せるよう自分でも事前に考えたり調べたりする必要があります。
口に二角足しましょう
こちらも漢字のクイズです。
口という漢字に二角足して別の漢字を作るというクイズ。
例えば
田、古、甲、由、申、右、石、旧、目、旦、などがパッと浮かびます。
他にも調べれば出てきます。
ちなみに常用漢字で27個あります。
他にも滅多に使わない漢字が15個ありますが、これらは紹介しても盛り上がらないでしょう。
漢字が好きな人は熱心に考えてくれますが、そうでない人は早々に飽きてしまうので様子を見て早めに舵を切りましょう。
言葉の階段
例えば
”あ”から始まる言葉で
あ〇(2文字のもの)
あ〇〇(3文字のもの)
あ〇〇〇(4文字のもの)
というように言葉の文字数を増やしていきます。
これは意外と盛り上がります。
答えがたくさんあるし、難易度が人それぞれだからです。
簡単なものでもとにかく答えたいという人もいれば、できるだけ難しい言葉を答えたいという人もいます。
五十音あるので半永久的にできますし、文字数を6文字7文字と増やしていってもいいですね。
ちょっとした場繋ぎにも使えて便利です。
ことわざクイズ
ことわざを限定してクイズにします。
例えば
動物の名前が入ったことわざクイズ
にして、難しそうであれば
「犬が入ることわざは?」
とヒントをあげると
「犬も歩けば棒に当たる」
のように答えに辿り着きやすくなります。
動物のことわざはけっこうあるので充分盛り上がります。
他にも
体の部位が入ることわざ
例)のれんに腕押し、目は口ほどにものを言う
数字が入ることわざ
例)石の上にも三年、二度あることは三度ある
などがあります。
いろはカルタ
ことわざクイズと似ていますが、日本にはいろはカルタというものがあります。
いろはにほへとちりぬるを…と誰もが一度は聞いたことがあると思います。
これをもとに江戸時代に作られたのがいろはカルタです。
”い”→犬も歩けば棒に当たる
”ろ”→論より証拠
というように47文字のことわざがそれぞれ割り振られています。
これらをヒントを出しつつクイズにすると良いでしょう。
僕が一度現場でこのレクをやった時は、カルタよりも「いろはにほへと…」の方が意外と食いつきがありました。
何も見ずに空で「ゑひもせす」まで言える方が多くてびっくりしました。
昔は皆さん義務教育で習ったのでしょうか。
なので「いろはにほへと…」の意味まで調べて解説しておけるようになっておくと拍手喝采間違いなしです。
※余談ですが僕は小学校時代休み時間にケイドロ(ドロケイ)をする時に、みんなで片足を前に出して足で円を作り、「どちらにしようかな」の要領で
「いろはにほへとちり…ぬすっと!をわかよ…たんてい!」
というように盗人役と探偵役を決めていました。
連想ゲーム
昔マジカル頭脳パワーという番組で人気だった「マジカルバナナ」と同じです。
バナナで連想するものは?→黄色→レモン→酸っぱい→うめぼし
というように次々に答えてもらいます。
マジカルバナナと違ってリズムに合わせなくてもOK。
同時に異なる回答をされた時(バナナに対して「黄色」と「滑る」が同時に別の人が答えた時)にどう対処するかは腕の見せ所です。
同じ人の回答ばかりを採用せず、声の小さい人の回答もきちんと拾ってあげましょう。
料理の話
クイズとはうってかわって料理の話は特に女性の利用者さんに大人気です。
「〇〇はどうやって作ればいいのか?」
「〇〇野菜はどうやって育てるのか?」
こういった話は盛り上がります。
これの素晴らしいところは、単純に自分が知りたいことを聞くだけで盛り上がるということです。
料理に長けた人でも、ほとんど料理をしない人でも、この話は鉄板です。料理だけに。
他にも
卵を使った料理は何があるか?
冷蔵庫にキャベツがいっぱいあるがどうやって消費しようか?
鍋には何を入れるか?
というような雑談のような話でも良いです。
どんなに準備して調べて考えてきたネタよりも、こういう雑談が一番利用者さんが楽しんでいたりします笑
〇から始まる〇〇
例えば
”い”から始まる”お店で買えるもの”
のように五十音の文字と後半のお題をそれぞれ用意しておきます。
それぞれくじ引きのようにして利用者さんに引いてもらうと、その場で即席のお題が出来上がるので、そのお題に当てはまるものを答えてもらいます。
このくじ引き要素が意外と盛り上がります。
後半のお題はたくさん作っておくと良いでしょう。
お題の例としては他にも
家にあるもの
目には見えないもの
大きいもの
小さいもの
食べ物
生き物
など、できるだけ抽象的なお題にしておくと、答えが限られずいろんな答えが出てきます。
野球のクイズ
野球を好きな方は男性に限らず、女性にも多いです。
WBCの時なんかは皆さんテレビに釘付けでした。
野球に関するクイズだと
「日本のプロ野球12球団全て答えましょう」
これは絶妙に良い難易度だったりします。
今でこそパリーグも人気ですが、一定以上の世代だとパリーグの知名度の低さに驚かされます。そして巨人阪神の異常な人気にも。
あとは
「野球用語の日本語と英語の言い換え」
ヒットを日本語で言うと?
投手を英語で言うと?
などなど。
寿限無
一番有名な落語と言えば寿限無ではないでしょうか。
冒頭の「寿限無寿限無…」を知っている人は多いですが、そのあとはあまり知られていません。
寿限無の全文をホワイトボード一面に書いて皆さんと一緒に読むと口の体操にもなりますし、職員が寿限無の物語をそのまま落語風に話すのも面白いでしょう。
「声を上げて読みながら濁点の時だけ手を叩く」ということも一度現場でやってみましたが、こちらもちょうどいい難易度で楽しめました。
これもクリアできたら「パイポパイポ…」のような半濁点の時も手拍子をしたりと要素を追加していくのもアリかもしれません。
番外編〜あまりウケなかったレク〜
しっかり用意したのにあまり盛り上がらなかったという事例も少なくありません。
意外とウケなかったレクも紹介します。
一文字変えましょう
3文字の言葉の1文字だけを変えてそれをどんどん繋げていくと言うゲームです。
さくら⇨さわら⇨かわら⇨カメラ⇨かしら
のように1文字ずつ変えていくのですが、少し難しかったのか、あまり盛り上がりませんでした。
確かに難しい。マジカル頭脳パワーではよくみんなリズムに乗せてこんなことができてたな…
頭とり
しりとりならぬ頭とりです。
りんご⇨きゅうり⇨すき焼き⇨カラス
のように、しりとりとは逆で頭の文字をおしりに持ってくる。
お題が”りんご”であれば、「”ご”で始まる言葉」ではなく「”り”で終わる言葉」を答えるルールですが、どうしてもしりとりルールで考えてしまう方が多く途中で断念しました。
失敗した理由は、しりとりがあまりにも強すぎるからではないかと睨んでいます。
どうしてもしりとりのイメージに引っ張られてしまうのでしょう。
ルール自体は難しくはないのですが、しりとりのルールから抜け出すのが難しかったようです。
回文クイズ
回文とはいわゆる逆さ言葉のことです
トマト、新聞紙、竹藪焼けた
など。
回文クイズは、回文の一部を虫食いにしてクイズ形式にしたものです。
しんぶん○
とかだとあまりにも簡単すぎるので
「世の中ね、〇〇かお金かなのよ」(世の中ね顔かお金かなのよ)
「〇〇〇負けましたわ」(私負けましたわ)
というようなクイズにしたのですが、これはこれで難しかったようです。
そもそも回文自体があまりピンときていない人も多かったのかなと反省しています。
個人的には回文が好きなのでもっと長い回文も紹介したかったので残念。
番外編〜趣味や特技を活かして盛り上がるレク〜
ギター演奏
歌が好きな人は多いです。
デイサービス=カラオケというくらい歌が好きな方は多いですが、コロナ禍ですっかりカラオケをすることがなくなってしまいました。
もちろん施設によってはカラオケをバリバリやっているところもあるでしょうが、僕の働いている施設はカラオケをする習慣がなくなってしまったので、いざ復活しようと知っても歌いたがる人がいません。
しかしそんな人たちでも、職員が演奏しながら歌うと合わせて歌ってくれます。
マイクを持って「さぁどうぞ!」と言われると歌いたがらない人でも、なんとなく歌が流れると口ずさんでくれます。
ギターに限らず楽器ならなんでも良いですが、やはりギターは持ち運びも便利で弾き語りができるので便利です。
さらに仕事中にギターの練習もできるので一石二鳥。
生演奏というのは思っていたより迫力もあるし、利用者さんからすると普段知っている職員が演奏するとなると、拍手喝采間違いなし。
伝統芸能
日本の伝統芸能を披露するのも大いに盛り上がります。
具体的には篠笛や三味線、和太鼓などです。
地域の民謡なども良いですね。
こういうのは地域のボランティアさんがやってくれる印象がありますが、やはり普段から親しみがある職員が披露することで盛り上がりもひとしお。
新年会や敬老会など、職員同士で練習して披露するのもアリですね。
その場だけで終わらずにその後も披露する場はいくらでもありますし。
昔の遊び
けん玉やコマ回し、お手玉やあやとりなどの昔の遊びもいいですね。
安全面から、どうしても一緒に遊ぶというよりも、見てもらって懐かしんだり楽しんだりしてもらうことがメインになりますが。
そこから話が発展して思い出話に花が咲くこともしばしば。
まとめ レクをする上での注意点
いかがだったでしょうか。
どれか一つでも実際に現場でやってみようと思うネタがあれば幸いです。
僕自身がレクをする上で心がけていることは、利用者ファーストとか楽しんでもらうとか色々あるのですが、自分が楽しむことも実は大事なことなのかなと思ってます。
楽しくなさそうにレクやってるとどうしても利用者さんにも伝わっちゃいます。
それは側から見ると「ただ時間を潰してる」行為にしか見えません。
逆に職員が楽しくやってると利用者さんにも伝わります。
あまり目が見えない人にも、耳が聞こえにくい人にも、「なんかよくわかんないけど楽しそうだな」って空気が伝わります。
内容とかテクニックとかより本当にこの気持ちが大事だなって思います。
あと、レクやってると「なんかあんまり盛り上がってない…?」って思って焦っちゃうことがたまにあるんですけど、これ、だいたい気のせいです。
「あまりウケなかったレク」を発表しておいて何いってんだと思われるかもしれませんが、それは前に立って視線を集めている時の感覚です。
他の職員さんがレクをやっている時に、たまに空気が「シーン」となっているのを感じることがあります。そういう時にその職員さんは焦っているのですが、側から見てると全然焦る必要ないのにな、と思います。
そういう時利用者さんはたいていクイズの答えを考えていたり、必死に頭を働かせています。
側から見るとそれがわかるのですが、前に立つとどうしても緊張で沈黙が怖くなってしまい、「何か喋らないと!」となってしまう。
何が言いたいかって言うと、要は
「焦らず楽しくやればいいですよ」
ってことです。
無理に利用者さんに合わせすぎなくても、自分の好きなものを発表する時間にしたっていい。それだって楽しく話せばきっと利用者さんは懸命に聞いてくれますよ。
それでは、介護士の皆様のご健闘をお祈りしてこの辺で失礼します。
最後まで読んでいただきありがとうございます(^^)