僕が2023年に読んだオススメ本の紹介と感想のまとめです。
2023年に読んだおすすめ本
毎日を楽しめる人の考え方
2022年に出版された精神科医・樺沢紫苑先生の著書。
コロナ禍がピークを終え、「我慢する時代」から「楽しむ時代」へと移行しようじゃないかということが本著のメイントピック。
遊ぶことが苦手とされている日本人。本著では「遊び=仕事以外の楽しい活動」と定義づけされており、そこには睡眠や入浴も含まれている。
なんて事のない日常生活も、意識を変えるだけで楽しい遊びに変わるということが書かれている。
「遊ぶ」「楽しむ」ために必要なのは、時間でもお金でもないのです。「工夫」です。
この一文にこの本の伝えたいことが全て込められている。
僕はついつい「遊ぶ=お金と時間がかかる」と考えてしまっていたが、発想の仕方や取り組み方を変えるだけでどんなことも遊びに変えることができる。
さらにありがたいことに現代は、遊びを通してマネタイズすることが可能な時代だ。
ブログやYouTubeがその最たるものだ。
そんなマネタイズのヒントも本著には書かれている。
毎日をより楽しみたいと思っている人は必読。
やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ
2021年に出版された大平信孝さんの作品。
このタイトルを見て思わずハッとしてのは僕だけではないハズ。
そう!やるべきことがあってもどうしても先延ばしにしてしまうんですよ!
「どうすればすぐやる人になれるの?」
と思いこの本を手に取りました。
脳科学と心理学を組み合わせた著者独自の目標実現法、そのメソッドが37個も書いて
あります。
いわゆる「やる気スイッチ」の押し方を教えてくれる1冊です。
37個の方法の中には「そんなこと知ってるよ」ということや「そんなめんどくさいことできないよ」というものもあるかもしれません。
しかし、途方もないものや実現不可能な方法は一つもなく、どれか一つでも「これなら自分にもできそう」というものがあればそれをやり続ければ良いと思います。
そしてたまに読み返して「これはもうできてるからこの方法も試してみるか」というように習慣をアップデートすると良いかもしれません。
「すぐやる人」になりたい人はまずはこの本を「すぐ読む」ことですね!
無駄なことを続けるために-ほどほどに暮らせる稼ぎ方-
少し古い本ですが、2018年に出版された元芸人の藤原麻里菜さんの1作目の著書。
「歩くたびにおっぱいが大きくなるマシーン」や「インスタ映え台無しマシーン」などの「無駄なもの」を作ってお金を稼いでいる著者。
その動機や経緯や方法が事細かに書かれている。
確かに無駄なことを続けてお金を稼げたらどんなにいいかと思う。
そんな人類の欲望をグリグリえぐってくるこのタイトル。
僕だって1日中ジグソーパズルとか作って稼げるならそうしたい。
当然だがジグソーパズルを作るだけではお金にならない。無駄なことだからだ。
しかしこの著者は無駄なことでお金を稼いでいる!
その仕組みとは??
なんのことはない。
そこに「面白さ」があるから。
人の興味を惹くもの・誰もやったことがないものには人がドンドン集まる。
それは「無駄」とは呼ばない。価値のあるものだ。
そもそも無駄ってなんだろう?
それを言い出すと芸術や音楽だって人類が生きる上では特に必要がない「無駄なもの」だ。
しかし当然だがそれらは決して無駄ではない。人生に彩りを与えるものだ。
では彩りを与えるものの定義とはーーー?
それはわからない。わからないし、気づけばそうなっているものだし、人によって捉え方は様々だ。
どこかの誰かの人生に彩りを与えるものであれば、それは「無駄」とは言わない。
そう、「無駄なことを続けるために」と題してあるが、著者は決して無駄なことなどしていないのだ。
「無駄」とはあくまで彼女の活動に対してラベリングしてある言葉に過ぎない。
それこそジグソーパズルだけをして稼ぎたいと思っている人にはがっかりする内容かもしれないが、本著で僕が学んだことは、好きなことで稼ぐには「自分が面白いと思うことを続けること」「それを世に発信すること」だ。
創作活動をしている人や自分のしている活動に自信のない人はぜひ読んでみてほしい。
窓際のトットちゃん
言わずと知れた黒柳徹子さんの大ベストセラー。
2023年12月には劇場アニメが公開。
2023年に42年ぶりに続編が出版されるということで、続編を読むために恥ずかしながら初めて読みました。
全然どんな話か知らずに読んだんだけど、めちゃめちゃ面白かった!
問題行動(今でいうADHDの特性)が原因で小学校1年生にして退学になったトットちゃん(黒柳徹子)。
そんなトットちゃんを快く受け入れてくれたトモエ学園での学校生活が描かれた作品。
こんな学校が戦前にあったなんて、びっくり!
校長先生が海外の教育(リトミックなど)も取り入れていて、本当に歴史やテレビで観る戦前の日本のイメージと違い過ぎて終始半信半疑だった。
この疑問についてはあとがきにて著者がこう述べている。
それにしても、あの戦争中、こんな自由な小学校を、なぜ、文部省や、国が許したのか、と疑問をお持ちのかたも、いらっしゃると思います。くわしいことは、いまになっては、わかりませんが、確かなのは、なんといっても小林先生が、宣伝ぎらい、今でいうマスコミ嫌い、ということで、戦前でも、一度も、学校の写真を撮らせるとか、「変わった学校ですよ」と宣伝することがありませんでした。
この部分を読んでなるほどと得心がいった。
しかし読めば読むほど、校長先生がすごい。
戦前にこれだけ自由で前衛的な教育ができたのは本当にすごい。
校舎が使わなくなった電車の車両だったり、座席が決まっていなかったり、自分がやりたい教科を勉強したりと、今の学校もこの学校の方針を取り入れればいいのに!と思う内容ばかりだ。
トットちゃんの両親やクラスメイトも本当に良い人ばかりで、心がほっこりする素晴らしい作品。
そして著者・黒柳徹子の文才がすごい!
わざと砕けて書いているのかはわからないが、内容だけでなく文体からトットちゃんの可愛さが伝わってくる。
本当になぜこの名著をもっと早く読んでおかなかったのか。
この本を読む前と読んだ後では黒柳徹子に対する印象が大きく変わる。
もう、大好き!!笑
続・窓際のトットちゃん
大ベストセラー・窓側のトットちゃん実に42年ぶりの待望の新作!
続編を書いた理由の一つはウクライナ侵攻だという。
戦争を体験した一人として、戦争はしてはいけない・戦争の悲惨さを伝えるためにもう一度ペンを握ってくれたそうだ。
僕はこの会見を見てこの本と前作を読もうと決意しました。
決して戦争体験記が読みたかった訳ではなく、同じ日本人として、反戦を訴えてくれる人が懸命に伝えてくれるものを読むべきだと思ったから。
戦後かなり年数も経ち、戦争体験者も多くが亡くなってしまった。
そんな時に、90歳でまだまだ元気でボケずに当時のことを伝えてくれるって本当にありがたいことよ。
そんな続・窓側のトットちゃんは、トットちゃんとお母さんの青森での疎開生活や、東京に帰ってきてからの女学校時代、NHK劇団員時代、テレビスターとしての華やかな時代などが描かれている。
前作窓側のトットちゃんでは学校やクラスメイトの話題がほとんどだったが、今作では母親を中心に家族とのエピソードがふんだんに描かれている。(今作を読んで初めてトットちゃんにきょうだいがいることを知った)
前半の描写は疎開生活で戦時中・戦後の人々逞しい生活で、後半は黒柳徹子のテレビタレントとしての軌跡。
どちらも面白いけど、特に後半のエピソードは圧巻。
よく「黒柳徹子はテレビタレント第1号」という話を耳にはするけど、実際に本人の口から語られるエピソードは興味深い。
昭和の名だたる名優や歌手とのエピソードも書いてあり、平成生まれの僕でも楽しめるのだから上の世代の人たちはもっともっと楽しめることだろう。
ちなみにあとがきにて、黒柳徹子は徹子の部屋を100歳まで続けたいと述べており、「なんという、楽しみ!」という一文で締められている。
もう、すごいなこの人。尊敬しかない。本当に純粋に人生を楽しんでいる人なんだろうなぁ。